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家具とは? [家具]

Yahoo!の~百科事典より~

室内外の空間において人間が生活を営むために使用する道具類の総称であり、代表的なものには椅子(いす)、ベッド、机、テーブル、たんす、戸棚などがある。これらはもともと建物に固定されず、動かせる道具類をさしていた。ドイツ語のMbelや、フランス語のmobilierは、ともに「動くもの」からきている。一方、建物に固定された造り付けの家具は、フィクスチュアfixtureとよばれ区別されていた。英語のファーニチュアfurnitureは「設備されたもの」から出ているが、現在このことばは、インテリアのなかで動くものはもちろん、建物に固定されたものをも含み、さらに戸外で使用されるベンチや街灯、ごみ箱などをもストリート・ファーニチュアとよぶようになったので、これをもあわせて、その概念は従来よりはるかに広くなってきている。

家具は建物の造り方と密接な関係をもつ。日本の伝統的な家は、木の柱を立ててその間に軽い建具をはめ、床(ゆか)の上に直接座って暮らす開放的な形式であったので、室内にはごくわずかの家具しか置かれず、平安時代にはそれを「調度」とよんだ。この家の造り方はのちに数寄屋造(すきやづくり)に発展していくが、畳の上の住まい方は融通無碍(むげ)で、膳(ぜん)を置けば食事室になり、ふとんを敷けば寝室になるという使い方ができるので、家具もまた軽くて容易にかたづけられる小形のものが多かった。いわゆるノーファーニチュア(家具を使わない)の住まい方が日本の伝統的なものになっていた。

一方、ヨーロッパの家は厚い壁で囲まれていて、寝室にはベッド、食堂には食卓と椅子というように部屋の中には各用途にあった家具が置かれた。そのため家具を移動させる必要がなかったので、古くから重く大きいものが発達した。普通、ヨーロッパの椅子を使う住まい方を「椅子式」、日本のように畳の上で暮らす住まい方を「平座式」とよんで区別している。

明治初期の日本には文明開化とともに椅子式生活が取り入れられた。最初に椅子を使用したのは役所と学校であったが、庶民の日常生活は相変わらず畳の上で行われていた。それが急速に椅子式に変わり始めたのは1955年(昭和30)ころからとみてよい。とくに日本住宅公団(現、都市再生機構)の集合住宅がつくられ、団地が普及してから、生活様式は椅子式へと変わっていった。

家具はまず食事室に椅子を取り入れることから始まり、DK(ダイニングキッチン)に続いてLDK(Lはリビングルームの略)が一般的なものになると、居間用のだんらんのための家具が普及していった。昭和30年代には木製家具の生産量は10倍に伸びたが、その数字はこの時期に日本の生活様式が急速に椅子式に変わっていったことを物語っている。第二次世界大戦前において応接家具をもつのは一部の上流階級にすぎなかったが、この時期を境にして庶民の間にも組合せの家具が広く行き渡るようになった。それに伴いインテリアへの認識もまた少しずつ変わっていくことになった。
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